レポート

レポート一覧へ戻る

意匠法について(15)

 

 利用について
 
  意匠法第26条第1項には、登録意匠について、利用抵触関係が生じる場合について規定がなされています。
 他人の登録意匠を「利用」する場合とは、ある意匠が他の登録意匠またはこれに類似する意匠を他の構成要素と区別し得る態様で包含し、この意匠を実施すると他の権利客体(登録意匠等)を実施することとなるが、その逆は成り立たない関係を示します。
 他人の登録意匠をそっくりそのまま取り入れている場合などが該当します。

 登録意匠であっても、他の意匠を利用する関係になることはあり得ます。そこで、意匠法第26条が、
利用された側の意匠権者の独占的排他権と利用する側の意匠権者の実施権とを調整するために設けられています。
 
意匠法第26条は、登録意匠の出願の前後関係に基づき、後願の登録意匠またはこれに類似する意匠が先願の登録意匠またはこれに類似する意匠を利用するものであるときは、後願の登録意匠の実施は制限される旨を規定しています。

 自己の登録意匠またはこれに類似する意匠が、
他人の登録意匠またはこれに類似する意匠を利用した意匠を利用するものである場合には、自己の登録意匠の実施は制限される場合があるのです。
 このように、登録意匠といえども、実施が制限される場合がある点に、注意が必要です。


レポート一覧へ戻る
ページ上部へ