一般的に「特許出願」を行う方法として、特許事務所(弁理士)に依頼する方法とご自身で行う方法があります。
特許事務所に出願(特許出願)の依頼を行うと、その出願内容(難易度、緊急度等)にもよりますが、一般に審査請求なしで平均30万円程度の費用がかかります。この金額を高いと感じるか安いと感じるかは、企業の大小、利用している特許事務所の対応等によって異なるとは思います。
この「費用」の内訳は「特許庁に支払う費用」と「特許事務所に支払う費用」とに分けることができます。「特許庁に支払う費用」は、特許出願の場合、「15,000円」です。したがいまして、先ほどの金額からこの「15,000円」を引いた額が「特許事務所に支払う費用」となりますが、この金額の全てが特許事務所の利益になるわけではなく、明細書等作成のための事前調査等の費用(文献等購入費用、調査等に要する時間)が必要となります。
クライアントから出願依頼を受けて、明細書、特許請求の範囲および図面等を作成いたしますが、明細書等の作成を行う際には、依頼された発明が自分の専門分野でない限りは、その発明のバックグランドの調査等が必須となりますので、一件ごとにかなりの時間が必要となります。この明細書等の作成時間は、その分野や難易度、担当者の知識・経験等によっても異なりますので、具体的に明言することはできませんが、単純な発明や、過去に自分が担当した発明の類似発明・改良発明等でない限りは、「3週間〜4週間」という時間を要します。その後、案文をクライアントにチェックしていただき、加筆・修正等を行って特許庁へ出願します。
もちろん「早急に出願を完了させたい」というクライアントの要望に応えるために、短期間で明細書等を作成することはありますが、それはレアケースで、その緊急度に応じて「追加料金」を頂くこともあります。
ご自身で行う場合、自宅のパソコンから行う方法と、発明協会等に設置してある共同利用パソコンから行う方法とがありますが、いずれにしても、「ご自身で行う」ためには、明細書等の作成および出願チェック等を、はじめから最後まで自分で行わなければなりません。
出願のやり方(パソコンの利用方法、出願形式等)に関しては、発明協会でなんらかのアドバイスをもらうことも可能ですが、実体的な内容については、自らの責任で全て行わなければなりません。
当事務所では上述した二つの方法の二者択一ではなく、ミックスした二つの方法をご提案いたします。
明細書等の作成作業の一部(特許調査、明細書・図面の作成等)を事前に皆さんに行って頂き、その分の費用(当事務所で行うはずであった作業で、その作業が不要となったために削減された時間に対する費用)を出願費用から控除する方法です。
この方法であれば、自ら行った調査あるいは明細書等の完成度に応じて、その分の費用が控除されますので、より低額での出願が可能となります。もちろん、はじめから完成度の高い調査等を行うことは難しいでしょう。しかし、この方法を何度か利用することによって、ポイントをついた調査や明細書の作成等を行うことができるようになり、控除額も高くなっていくものと予想されます。
具体的には、出願依頼の際に、事前に調査した内容や作成した明細書等を見せて頂き、それらの利用可否を判断させて頂きます。そして、その内容に応じて、こちらから見積書を提出いたします。
尚、提出頂いた書類等の内容によっては、出願費用からの控除額が「0」の場合もあります。もちろん、控除額がどの程度であるかは、見積書提出時にご説明いたします。
皆さんが作成した明細書等の内容についてのアドバイスを行い、そのアドバイス時間に応じた料金をご請求させて頂く方法です。
この方法であれば、ご自身の不安な部分・不明瞭な部分等についてのアドバイスを出願前に受けることが可能となります。したがって、全ての処理を自分自身で行う場合と比較して、より安全且つ効率的に出願を行うことができます。
ただし、この場合は、原則として、皆さんご自身(ご自宅のパソコンあるいは共同利用パソコン)で出願処理等を行って頂きます。当事務所におきましては、その内容についてのアドバイス(加筆・修正した方がよい部分の指摘等)を行うのみです。具体的に加筆・修正等を行うか否かは、皆さんご自身でご判断下さい。
尚、このアドバイスは、皆さんのご要望に応じて何度でも行いますが、その都度「アドバイス時間」に応じた費用が発生いたします。
「事前控除出願」、「アドバイス出願」のご利用にはご予約が必要です。予めお問い合わせ下さい。