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著作権法(8)

 

  著作権は支分権の束と表現されるように、著作物の具体的な利用態様に対応して、種々の支分権が設けられています。複製権(著作権法第21条)、上演権・演 奏権(第22条)、上映権(第22条の2)、公衆送信権・伝達権(第23条)、口述権(第24条)、展示権(第25条)、頒布権(第26条)、譲渡権(第 26条の2)、貸与権(第26条の3)があります。以下、それぞれについて詳述します。

・複製権(第21条)
 著作者は、その著作物を複製する権利を専有します。著作者の許諾なしに著作物を複製(一部を含む)することは、原則として著作権侵害となります。
 複製とは、「印刷、写真、複製、録音、録画その他の方法により有形的に再生すること」と定義されています(第2条1項15号)。絵画の模写や、音楽や講 演をテープに録音する行為等が該当します。建築に関する図面に従って建築物を完成することは、建築の著作権の複製に該当します。脚本などにもとづいて上演 したものや放送したものを録画等する行為は、脚本など演劇用の著作物の複製に該当します。

・上演権・演奏権(第22条)
 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として上演し、又は演奏する権利を専有します。ここで、公衆とは、特定かつ多数の者を含みます。
 上演とは、「演奏(歌唱を含む)以外の方法により著作物を演ずること」定義されています(第2項1項16号)。また、上演、演奏又は口述には、著作物の 上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること、及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達することを含みます(第2 条7項)。レコードやCDの再生も本条に該当することになります。

・上映権(第22条の2)
 著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有します。
 上映とは、「著作物(公衆送信されているものを除く)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴って映画の著作物において固定されている音を再 生すること」と定義されています(第2項1項17号)。映画著作物に限らず、絵画や写真等についても、上映権は働きます。

・公衆送信権、伝達権(第23条)
 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有します(公衆送信権)。
 公衆送信とは、「公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信の送信を行うことをいう」と定義されています(第2条1項7号の2)。
 無線通信(テレビ、ラジオ等)、有線通信(ケーブルテレビ等)による送信に関する権利です。また、インターネットのサーバーに著作物をアップロードする行為や、インターネットサーバにデータを記録・入力し、利用者の求めに応じて著作物を提供する行為に関する権利です。
 また、著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有します(伝達権)。例えば、レストランで音楽を流して視聴させる行為が該当します。
                                                  続きます。
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