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著作権法(9)

 

・口述権(第24条)、
 著作者は、その著作物について、その言語の著作物を公に口述する権利を専有します。
 口述とは、「朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く)」と定義されています(第2条2項18号)。朗読された著 作物を録音した後に、この録音物を再生する行為も口述に該当します。このため、講義や講演などを録音したものを利用する場合は、著作権の侵害となる可能性 があります。

・展示権(第25条)
 著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有します。
 展示権は、美術著作物と未発行の写真著作物のみに認められる排他的権利です。「原作品」を展示会や屋外など多くの人に見られる場所に展示する場合に限ら れます。このため、展示権は複製物には及びません。また、個人宅に展示するなど、公に展示するものではない場合には及びません。
 画家が作成した絵画を他人に売却した場合等、絵画が譲渡された場合は、通常、その絵画の所有権のみが移転し、著作権は書作者にとどまります。しかし、そ うすると、絵画の買主は自分所有の絵を公表するたびに著作者の許諾を得なければならなくなりますので、公表されていない著作物の原作品を譲渡した場合には 当該著作物の公表にも同意したものと推定されます(18条2項)。

・頒布権(第26条)

 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有します。また、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有します。
 頒布とは、「有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製さっれ ている著作物にあっては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含む」と定義されていま す(第2条1項19号)。
 映画の製作者とは、その映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者をいい、脚本、音楽等の著作物の著作者は除かれます。
 ただし、このような映画において複製されている脚本、音楽等の著作者には、第26条第2項により頒布権が与えられています。

・譲渡権(第 26条の2)
 映画を除く著作物の著作者は、原作品又は複製物を譲渡により公衆に提供する権利を専有します。
 但し、いったん適法に譲渡されたものに対しては、譲渡権の効力は及びません(第26条の2第2項各号)。

・貸与権(第26条の3)
 映画を除く著作物の著作者は、その複製物の貸与により公衆に提供する権利を専有します。
 「貸与」には、いずれの名義又は方法をもってするかを問わず、これと同様の使用の権限を取得させる行為を含むものとすると規定されています(第2条8項)。この規定は、脱法行為を防止するために設けられています。
 ただし、図書館等の非営利かつ無償の貸与の場合には、著作者の許諾を必要としない旨、規定されています(第38条4項)。

                                                  続きます。
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